1872年(明治5年)5月7日、横浜(現・桜木町)~品川駅間で日本で初めて鉄道が開通 しました。
その時点では仮営業でしたが、同年9月12日、横浜~新橋(現・汐留)駅間で正式に開 業されました。
当時は1日9往復、所要時間は53分でした。馬車で走ると4時間はかかった時代でしたので、 そのスピードの速さは人々を驚嘆させました。
それでもイギリスの産業革命でトレビシックが蒸気機関車を開発してからすでに70年 も経過しており、 日本の鉄道技術が世界中に広まるのは、それからずっと後のこととなるのです。
それからの交通手段は徐々に馬車から鉄道へと移っていきます。しかし1杯のソバが5 厘という時代に、1番安い下等の運賃がソバ100杯分の50銭もしたことや、乗客は15分前に駅に来るという規則もあったことなどから、鉄道に乗るよりは徒歩で目的地に行く人も多く見られました。
その後運賃は改定されて、下等は37銭5厘となりましたが、やはり庶民にとっては高い乗り物でした。
それでも、堂々とした風貌やスピード感溢れる鉄道は受け入れられ、人々は汽車が走るのを大いに楽しみ、
当時の錦絵には多くの汽車が描かれるほどでした。
現在桜木町駅の東寄りには、当時の横浜駅の正面外観や時刻表などが刻まれた「鉄道発祥の地記念碑」が建っています。
最初の鉄道に使われた双頭レールが利用された記念碑は、頭部に当時の機関車の汽笛を表わした装飾を施し、台石は機関車の動輪を形成しています。
取材場所詳細
場所:鉄道発祥地
住所:横浜市西区桜木町1-1 ★地図