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Pick UP! ハマのみらい 「横浜の大学生起業家」


    さまざまな人が共感しやすい「学生のお財布事情」が起点
    幅広い年齢層の消費行動を読む力

    移動販売を行うラッシー専門店「LACCI」

    長かったコロナ禍で、開催の是非も含め、おでかけ先の一つとして注目された屋外イベント。また、飲食店が生き残りをかけ多種多様のテイクアウト商品を開発し、私たちのおなかと心を満たしてくれたことも記憶に新しい。

    誰もが予想していなかった時代の中、柔軟にキッチンカー事業を立ち上げたのは、横浜国立大学(保土ヶ谷区)経営学部4年・柴田開(はるき)さん。
    等身大の学生の金銭感覚で過ごす日常は、子育て世代からシニアまで、気取らないおでかけ時の消費行動ともリンクする。

    今回は未来の経済界を担う地元大学生起業家の事業発足の物語と、新たな企画を生み出すみずみずしい感性に迫る。

    誰もが気軽に味わえるおいしくて体にいいもの。
    学生生活の中でひらめいた「次に来るスイーツドリンク」

    横浜市港南区出身の学生起業家・柴田さんは、名門開成中学・高校で10代を勉学に捧げた。同校在学中から興味があった経営を学ぶため、地元の横浜国立大学へ進む。入学後は大学生らしく、学友たちとの青春を謳歌した。
    「横国入学後しばらくは、テニスをしたり、友達と遊んだりと、とても楽しく過ごせました」と語ってくれた柴田さん。起業のきっかけとなったのは、カレー専門店でヨーグルトベースのドリンク『ラッシー』を飲んでいた時。

    「ラッシーを、タピオカドリンクのようにワンコインで手軽に買えて、若い世代から広まり、多くの人に愛されるスイーツドリンクにできたら—。」

    この時同席していた後の共同経営者・五十子さん(横国生)とともに、比較的低予算で販売が始められるキッチンカーに目をつけた。

    柴田さんらの開発した商品は、見た目の華やかさと健康を意識した、カレー店で飲めるものとは一線を画した『クラフトラッシー』という新しいジャンル。日本初となるこの商品を製造・販売する企画は注目を集め、クラウドファンディングは成功。在学中の2021年に『LACCI(ラッチ)合同会社』を立ち上げ、クラフトラッシーをトレンドにすることを目標として奮闘し、起業から間もないにも関わらず、キッチンカー1台で日商40万円を売り上げるまで成長させた。

    二つ目の事業会社は「移動販売のプラットホーム」

    学業と事業、多忙な日々を送る柴田さんだったが、新たな挑戦のため新会社『DotDeli株式会社』を翌年の2022年に設立。自身の手がけるクラフトラッシーの移動販売を通して、キッチンカー事業の魅力と業界の課題に直面したためだ。

    柴田さんは、現状の移動販売のジャンルは固定店舗を構える飲食業界に比べ、新陳代謝が少ない—もっと自由に拡大できる可能性を秘めていると感じた。
    また、キッチンカーオーナーたちは出店場所の確保や販促活動に忙しく、かつ方法に悩む人も少なくない。そこで柴田さんは、『キッチンカーのプラットホーム事業(=キッチンカーの出店からメニュー開発、営業などあらゆるサポートをするサービス)』をスタート。中でも今年から開始したキッチンカー出店ありきのイベント事業は、SNSでの拡散を見込んだユニークな企画で複数の大手メディアから注目を集め、盛況となった。こちらの事業も好調な滑り出しをした。

    起業に年齢は関係ない。大学生でも、小・中・高校生でも。

    キッチンカーで販売している クラフトラッシー

    今年度は秋まで休学し、自らの事業に専念する柴田さん。これからの未来を担う小中高生への思いを聞いた。

    「自分は大学生で起業しましたが、これは決して早くはないと思っています。小学生や10代の優秀な起業家が今後さらに増えて欲しい。」

    多くの固定概念がほぐれつつある現代。彼に続く、横浜発の若き起業家の出現が楽しみである。


    柴田さんが手がける事業は以下のSNS、ウェブサイトでご確認いただけます。

    ◯横浜発ラッシー専門店 LACCI インスタグラム
    https://www.instagram.com/lacci_lassie/?hl=ja
    ◯クラフトラッシー通販サイト
    https://lassie-lacci.stores.jp/

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